Figma で図形を変形する方法 — 拡大縮小・回転・反転と自由変形

「Illustrator の自由変形みたいに図形を歪ませたい」「台形や遠近をつけたいのに見当たらない」「拡大したら線の太さまで変わってしまった」— Figma で図形を変形しようとしてつまずく原因は、たいてい同じです。Figma が標準でできる変形は、拡大縮小・回転・反転までで、歪み(skew)や遠近(perspective)は標準機能にありません。まずこの線引きを知ると、迷いが消えます。

本記事では、標準でできる変形(拡大縮小・回転・反転)→ 標準にない自由変形・歪み・遠近をプラグインで補う方法 までを、やりたいことの順に整理します。最後に、Illustrator や Adobe XD から移行した人がつまずきやすい点もまとめました。

先に結論:標準は拡大縮小・回転・反転まで

Figma の標準機能でできるのは、リサイズ・拡大縮小(Scale)・回転・反転です。自由変形(4 隅を別々に動かすワープ)・歪み(skew)・遠近(台形)変形は標準機能にありません。これらが必要なら、専用のプラグインを使うか、代替手順で近づけます。この線引きを押さえるのが最短ルートです。

この記事で得られること

  • 図形をリサイズ・拡大縮小する方法(Scale ツールで線や効果ごと拡大)
  • 回転・反転の具体的な操作とショートカット
  • Figma 標準にない自由変形・歪み・遠近をプラグインで補う方法
  • 変形プラグインの選び方の目安
  • Illustrator / XD から移行した図形でつまずく点と対処

📐 拡大縮小・リサイズ(Scale ツール)

図形のサイズを変えるには、2 つの方法があります。結果が違うので使い分けます。

  • リサイズ(選択ツール): 図形を選択し、外側のハンドルをドラッグします。Shift を押しながらドラッグすると縦横比を保てます。線の太さや角丸・効果は元のままで、形の寸法だけが変わります。
  • 拡大縮小(Scale ツール、K: K で Scale ツールに切り替えてからドラッグすると、線やブラーも一緒に拡大縮小されます1。テキストレイヤーに使えば、バウンディングボックスとフォントサイズが同時に変わります2。「全部まとめて 1.5 倍にしたい」ときはこちらです。

Scale ツールはドラッグだけの機能ではありません。公式ヘルプは、右サイドバーの Scale パネルから次の 3 つが使えると案内しています1

  • 倍率で指定する: Scale パネルのドロップダウンから倍率を選ぶか、数値を入力して Enter
  • 寸法で指定する: 幅か高さのどちらかに数値を入れると、もう一方が自動で追随する
  • 拡大の起点を決める: Scale パネルの anchor box で固定したい側を指定する。中央なら全方向へ、左上を指定すれば右下方向へ広がる

⚠️ Scale が効かない対象が 2 つあります。 公式ヘルプは、ロックされたレイヤーコンポーネントインスタンスの中にネストされたレイヤーは Scale できないと明記しています1。「なぜかこの要素だけ拡大されない」ときは、まずこの 2 つを疑ってください。

リサイズと Scale の違い

ボタンを 2 倍の大きさにしたいとき、普通のリサイズだと枠だけ大きくなって線や文字は元のサイズのまま、レイアウトが崩れて見えます。Scale ツール(Kなら線の太さも文字も一緒に拡大されるので、見た目の比率を保ったまま大きくできます。アイコンやコンポーネントを丸ごと拡大したいときは Scale が向いています。

Scale で拡大した後は端数に注意

公式ヘルプは、Scale ツールが constraints を無視してまとめて拡大縮小できる反面、分数のフォントサイズサブピクセルの位置・寸法を生むことがあると注意しています2。これは見た目の甘さだけでなく、書き出し(Export)時の意図しないアーティファクトの原因にもなります。1.5 倍・2 倍のようなきりのよい倍率を使うか、拡大後に数値を丸めておくと安全です。

🔄 図形を回転する

図形を回転させる方法はいくつかあります。用途に応じて選びます。

  1. ハンドルで回す。 図形を選択し、コーナーの少し外側にカーソルを置くと回転カーソルに変わります。そのままドラッグして回します。Shift を押しながらだと 15° 刻みで回転します3
  2. 角度を数値で入れる。 右パネルの回転(Rotation)欄に角度を直接入力すると、正確な角度に合わせられます3
  3. 回転の中心をずらす。 既定では選択範囲の中心が回転の軸になりますが、Option + R(Mac)/ Alt + R(Windows)で回転原点のターゲットを呼び出し、ドラッグして別の位置へ動かせます3。時計の針や振り子のように「端を軸にして回す」動きは、これを知らないと作れません。

角度の見え方にも決まりがあります。公式ヘルプによると、初期値は で、正の角度が反時計回り、負の角度が時計回りに ±180° まで進みます。180° を越えると、そこから に向かって数え直されます(180°15° 越えると -165° と表示される)3

回転ツールはなく、エフェクトは回転しない

Figma には「回転ツール」を一発で呼ぶ単一キーのショートカットはありません(Scale の K にあたるキーが回転には用意されていません)。回転はコーナー外側のハンドル、右パネルの数値入力、Shift ドラッグ(15° 刻み)で行い、回転後も右パネルの数値で角度を確認・修正できます。

あわせて知っておきたいのが、Figma はレイヤーに適用したエフェクトを回転させないという仕様です3。ドロップシャドウをつけた図形を回しても、影の向きは回転前のままになります。光源の向きまで揃えたいときは、回転後にシャドウの X / Y を調整し直してください。

🪞 図形を反転する

図形を鏡像にする(左右・上下を入れ替える)には、反転を使います。

  • 左右反転(Flip horizontal): Shift + H
  • 上下反転(Flip vertical): Shift + V

右クリックメニューからも反転できます3。アイコンの向きを変えたい、左右対称のパーツを作りたいときに便利です。反転は鏡像にするだけで、形そのものは歪みません。

🪄 自由変形・歪み・遠近はプラグインで

ここが多くの人のつまずきどころです。Illustrator や Photoshop の「自由変形」のように、4 隅を別々に動かして歪ませたり、台形・遠近をつけたりする操作は、Figma の標準機能にはありません。標準の回転・拡大縮小・反転では、形を斜めにしたり奥行きをつけたりはできません。

Figma Draw の「Transform」は変形機能ではない

Figma Draw に切り替えると右サイドバーに Transform の項目が現れるため、「自由変形はここにあるのでは」と探してしまいがちです。しかし公式ヘルプによれば、ここでいう transforms は Radial repeat(中心のまわりに円状に繰り返す)Linear repeat(縦または横に等間隔で繰り返す) の 2 種類で、オブジェクトを繰り返してパターンを作るための非破壊機能です4。歪みや遠近をかけるものではないので、名前につられて探し続けないでください。

自由変形・歪み(skew)・遠近(台形)変形をしたい場合は、次のいずれかになります。

  • 変形プラグインを使う: Figma Community には、4 隅をドラッグして歪ませたり、遠近・skew をかけたりできるプラグインが複数あります。図形を選んでプラグインを実行すると、自由変形した結果に置き換わります。Figma の中で完結させたいときに便利です。
  • 外部で処理してから取り込む: Illustrator や Photoshop で変形してから、画像(PNG / SVG)として書き出して Figma に配置します。仕上がりを細かく詰めたいときはこちらが確実です。

画像の遠近・文字の歪みも同じ考え方

「画像に遠近をつけたい」「文字を斜めに歪ませたい」も、標準機能だけでは同様にできません。画像・文字とも、変形プラグインで処理するか、外部で加工して取り込みます。文字を歪ませると編集できないアウトライン(または画像)になる点には注意してください。

🚀 XD の図形を崩さず Figma へ — Pixel Fine Converter

XD で作った図形やパスを Figma の構造に変換。Free 版でご自身のファイルの再現度を確かめてから判断できます。

🔌 変形プラグインの選び方

自由変形系のプラグインは複数あり、用途で向き不向きがあります。選ぶときの目安です。

  • ベクター図形を歪ませたい: パスを真の形状として変形できる(曲線をなめらかに分割する)タイプが向いています。
  • 画像に遠近をつけたい: 画像を高品質にワープできる(ピクセル単位で処理する)タイプを選びます。
  • 手早く skew / 台形をかけたい: スライダーで角度を調整するシンプルなタイプが扱いやすいです。

変形後の編集性に注意

プラグインで自由変形・遠近をかけると、元のベクターが変形後の形に確定したり、画像に変換されたりすることがあります。後から微調整したい場合は、元の図形を複製して残しておくと安全です。どのプラグインも、最終的に Figma に置くのは変形済みのオブジェクトになります。

🔄 XD・Illustrator から移行した図形

Illustrator や Adobe XD から移行したファイルでは、図形の変形に関して下記の 2 点の注意が必要です。

  • イラレの自由変形・遠近は Figma の構造に「そのまま」移行できない: Illustrator で自由変形や遠近をかけた図形は、Figma 側では変形が確定したパスや画像として扱う必要があります。編集可能な「変形の途中状態」としては引き継げません。
  • XD の図形・パスはマスク・角丸など構造を保って移行できる: 単純な拡大縮小・回転は Figma 側でも再現できますが、複雑なパスやブール演算は、構造ごと変換できる移行手段を選ぶと崩れにくくなります。

手作業で 1 つずつ作り直すのは手間がかかるため、図形・パスの構造ごと変換できる移行手段を選ぶのが安全です。どの手段が構造を保てるかは道具によって差が大きいので、選定からの方は XD → Figma 変換プラグインの選び方 で候補を比較してから決めてください。Pixel Fine Converter は XD ファイルを直接読み込み、図形やパスを Figma の構造に変換します。XD の図形変換の詳細は XD の図形を Figma に変換する にまとめています。

💬 よくある質問

Q: Figma で図形を自由変形(歪ませる)できますか?

標準機能だけではできません。4 隅を別々に動かす自由変形や、歪み(skew)・遠近(台形)変形は Figma 標準にないため、変形プラグインを使うか、Illustrator / Photoshop で加工して画像として取り込みます。標準でできるのは拡大縮小・回転・反転までです。

Q: 拡大したら線の太さまで変わってしまいました。

普通のリサイズ(選択ツールのハンドル)では線幅は変わらないはずですが、Scale ツール(Kで拡大すると線幅・効果・文字も比例して変わります。線幅を保ちたいときは選択ツールでリサイズ、見た目ごと拡大したいときは Scale ツールを使い分けてください。

Q: 図形を回転するショートカットは?

回転専用の単一キーのショートカットはありません。コーナーの外側をドラッグ(Shift で 15° 刻み)するか、右パネルの回転欄に角度を入力します。

⚠️ 矢印キーでは回転しません。 矢印キーは Figma では nudge(位置の移動) に割り当てられており、既定では 1pt ずつ、Shift を押しながらで 10pt ずつ移動します3。修飾キーを足しても回転にはならないことを実機(Windows)で確認しています。細かい角度を詰めたいときは右パネルの数値入力を使ってください。

Q: 図形を反転(鏡像に)するには?

左右反転は Shift + H、上下反転は Shift + V です。右クリックメニューからも反転できます。

Q: 画像に遠近をつけたいです。

標準機能ではできません。遠近変形に対応した変形プラグインを使うか、外部の画像編集で加工してから Figma に配置してください。

Q: Illustrator で自由変形した図形が、Figma 移行後に崩れました。

Illustrator の自由変形・遠近は、Figma 側では変形が確定したパスや画像として扱う必要があります。編集可能な変形状態のままでは引き継げないため、確定した形で移行するか、Figma 側で作り直してください。

🎯 まとめ

Figma の図形変形は、標準でできる範囲を押さえ、足りない分はプラグインで補うのがコツです。本記事の要点は次の 4 つです。

#やりたいこと使う機能
1サイズを変えるリサイズ(線そのまま)/ Scale ツール K(線も比例)
2回転するハンドル / 右パネル / Shift で 15° 刻み
3反転する左右 Shift + H / 上下 Shift + V
4自由変形・歪み・遠近標準機能では不可 — 変形プラグイン or 外部処理

サイズなら Scale ツール、回転はハンドルか数値入力、反転は Shift + H / V。歪みや遠近が要るならプラグイン。この線引きさえ押さえれば、Figma の図形変形で迷いにくくなります。そしてファイルのベースが Illustrator や Adobe XD で作成されたものなら、図形・パスの構造を保ったまま移行することが、作り直しを避けるいちばんの近道です。

🚀 Pixel Fine Converter を Figma Community からインストール

Figma Communityから1クリックで追加できます

なお本記事のうち Figma の仕様に関する記述は公式ドキュメントを出典として明記しています(下記)。Pixel Fine Converter の図形・パス変換に関する記述は、いずれも自社のソースコードと実機検証にもとづく一次情報です。

出典

  1. Scale layers while maintaining proportions — Scale ツール(K)が線やブラーも一緒に拡大縮小すること、Scale パネルの倍率 / 寸法フィールド / anchor box、ロックされたレイヤーとコンポーネントインスタンス内のネストレイヤーには使えないこと(2026-08-20 確認) 2 3

  2. Adjust text dimensions and resizing — Scale ツールがテキストレイヤーのバウンディングボックスとフォントサイズを同時に変えること、分数のフォントサイズやサブピクセルの寸法が書き出しのアーティファクトにつながりうること(2026-08-20 確認) 2

  3. Adjust alignment, rotation, position, and dimensions — 回転の初期値 0° と ±180° の数え方、Shift で 15° 刻み、回転原点を Option/Alt + R で移動できること、エフェクトは回転しないこと、Flip horizontal / vertical のショートカットと右クリックメニュー(2026-08-20 確認) 2 3 4 5 6 7

  4. Create patterns with transforms — Figma Draw の transforms が Radial repeat / Linear repeat の 2 種類であり、オブジェクトを繰り返してパターンを作る非破壊機能であること(2026-08-20 確認)

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